花の発生におけるABCモデルは、被子植物の花の発生を遺伝子の発現調節から説明するモデルである。 花の発生とは、被子植物がメリステム(分裂組織)において遺伝子の発現を変化させ、有性生殖のための器官、すなわち花の形態を形成していく過程のことを指す。この過程においては次に示す3つの生理学的な変化が起こる必要がある。第一に、植物体は性的に未成熟な状態から成熟した状態に移行しなければならない(すなわち、花成へと移らなければならない)。第二に、頂端メリステムの機能を栄養成長から生殖成長へと転換させなければならない。そして最後に、花におけるそれぞれの器官を成長させなければならない。この花器官形成の過程を分子・発生遺伝学の観点から記述し、モデル化したのがABCモデルである。 ABCモデルは、異なる3クラスの転写因子が花の異なる部分で発現することにより、発生を制御する様式を次のように説明する。 * クラスA遺伝子は単独ではがくを発生させる。 * クラスB遺伝子は、クラスA遺伝子と共存すると花弁を発生させる。またクラスC遺伝子と共存すると雄蕊を発生させる。 * クラスC遺伝子は単独では心皮(雌蕊)を発生させる。 ABCモデルは1991年にE. CoenとE. Meyerowitzによって提唱された。シロイヌナズナやキンギョソウなどの花の各器官(葉が変化したものと考えられるので花葉と呼ばれる)に異常を起こす突然変異体の研究成果に基づいており、その後、他の多くの植物に適用できることが示されつつある 。
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Discovered by embedding cosine similarity (sentence-transformers MiniLM, 384-dim).